悲劇の再開




一時戦闘が終わったオーブを夕日が照らしている
そこに2機のモビルスーツが降り立った
1機は青と白のフリーダム
もう1機は紅の見慣れないモビルスーツ
そこから降りてきたのはキラ、そしてアスランだった
信じられない気持ちで見ていると
そこへ緑のロボット鳥、トリィが飛んできた
「やぁ、アスラン…」
「キ、ラ…」
お互いに殺しあった二人が再会した
私はこらえきれず二人の下へ駆け出した
「お前ら〜」
「ちょっ、カガリっ」
「うわっ」
「この、バッカやろ〜ってアレ?」
さっきまでいたはずの二人がいない
「なっ、あいつらどこに行ったんだ?」
周りを見渡してみても見つからない
気のせいだろうか皆の目が同情するような目をしている
中には泣いている者もいる
いったいどうしたっていうんだ?」
「あの…カガリさん…」
気まずげにラミアス艦長が近づいてきた
「ラミアス艦長!!二人はどこに?」
「二人は…その、空に…」
と、上を指す
「えっっ、あいつらいつの間に出撃したんだ!」
「いえ、そうゆうことではなくて…」
「え?」
「吹っ飛ばしちゃったのよ、カガリさんが…
 モビルスーツごと…」
「ええええっっっ!!!」
どうやらわたしはとんでもないことをしてしまったらしい


 

「くそっ、アスラン!!」
「キラっ」
不覚だった
アスランと再会できた喜びのせいでカガリの接近に気づかなかった
で、カガリに吹っ飛ばされた僕とアスランはなんとか機体にしがみついたはいいけど、
見事に機体ごと吹っ飛ばされてこのまま大気圏に突入しそうな勢いだ
「アスラン、とにかくコックピットに乗って
 このままじゃ、大気圏に突入しちゃうよ」
「わかってる。でも、すごいGで動けそうにない
 お前は動けるか?」
「何とかね」
無理してコックピットに乗り込もうとするけど、
はっきり言って骨が折れそうで動きたくない
アスランは結構やわだからなぁ
無理して動いたらほんとに骨折れるかも
早く助けなくちゃ
「よっと」
何とか無事にコックピットにたどり着いた
すばやく機体を起動させる
「今助けるからね、アスラン」
とはいえ、これ以上アスランに負担をかけるわけにもいかないから
制動はかけられない
「アスラン、なんとかしてフリーダムの手に乗れない?」
「何とかやってみる…」
で、なんとかアスランをフリーダムのコックピットに救出できた
「アスラン、だいじょうぶ?」
「…………」
「アスラン?」
「………キラ…」
「何?」
「大丈夫じゃ…ないみたいだ…」
「えっ、まさか…」
「足、折れたかもしれない…」
「ええええっっっ!!!」
見るとアスランの足がすごく腫れてる
「うわっ…痛そう〜」
「痛いに決まってるだろう」
怒鳴る元気はあるみたい
アスランってやわなのかタフなのかどっちなんだろう
「とにかく、早くオーブに戻って手当てしなきゃ」
「なら、ジャスティスを回収してくれ」
「わかった」
辺りを探してみるけど見つからない
「あれ?見つからないよ」
「ほんとだな、どこいったんだろう…」
「もしかしてここかな?」
「え?どこだ?」
「ほらここ、レーダーに写らないんだ」
「でも、ジャスティスにそんな機能ないぞ」
「とにかく行ってみない?」
「え〜、ここに?」
「うん、なんかおもしろそうじゃない?行ってみようよ」
「…ちょっとだけだからな…」
で、アスランの怪我そっちのけで行ってみたそこは真っ暗だった
いや暗いなんてものじゃない
禍々しい闇が広がっていた
「何か…気味悪いね…」
「ああ、そうだな…」
恐る恐る進んだ先にあったのは、なんとまっピンクの艦だった
「こんにちは、キラ、アスラン、ラクスですわ」
その瞬間僕らは光も超えんばかりの速さで逃げようとした
なのに逃げられなかった…
艦から出てきた変なアームにつかまってしまったのだ
「まぁ、どこへ行かれますの?お二人とも」
「えっ、えっと〜それは、そのっ」
「ジャスティスを探しに行くんですよ。な、キラ」
「うん、そう、そうなんだよ!だからごめんねラクス、
 僕たち行かなくちゃならないんだ」
「それなら大丈夫ですわ」
「「えっ…」」
やな予感
「ジャスティスなら私が回収しましたから」
やっぱり…僕たちは始めからラクスに誘い出されてたみたい
「さぁ、早く着艦してくださいな」
僕たちに選ぶ権利はなかった





着艦した俺たちをラクスは笑顔で出迎えた
正直その笑顔が怖くてたまらない
で、そんなラクスと笑顔で挨拶を交わすキラもすごいと思う
「お久しぶりですわね、キラ、アスラン」
「お、お久しぶりですラクス」
「うん、久しぶりだねラクス。できることなら二度と会いたくなかったな」
 その瞬間その場が氷河期になった
とにかく寒い、いや怖い
なんかブリザード吹いてるし二人から黒い変なものが見えるし…
「よく聞こえなかったのですけれど、なんておっしゃいました?」
心なしかラクスの笑顔が引きつってるような気が…
「やだな〜ラクス、ちゃんと聞いててよ。僕は君に二度と会いたくなかったって
 言ったんだよ」
「あ〜ら〜、ごめんなさい、よく聞こえませんでした。
 この口が何か言いまして?」
黒い笑顔を浮かべながらキラの頬をつねるラクス…痛そ〜
「なんれもなひよ、りゃくふ(なんでもないよ、ラクス)」
うわ、キラの奴泣いてるし…
余計なこと言うからこうなるんだって何でわからないんだ?
というか、ラクスに逆らうこと自体自殺行為だと思うんだけど…
「あら、そうですか?」
「うん…そういえば、どうしてここにいるのラクス?」
やっと本題に入れたみたいだな
「はい、本当はもう少し後で登場する予定なのですが私つまらなくなってしまいまして」
「それで、きちゃったんですか?」
「はい!」
「単に目立ちたかったんでしょ?」
「キラ、何か言いまして?」
「ううん、なんでもないよ」
本当に余計なことを言う奴だな
なんか空気が澱んでて息しづらいし…
「とにかく、早くジャスティス返してよ
 早くオーブに戻ってアスランの手当てしなくちゃならないんだ」
「まぁ、どうかなさったのですかアスラン?」
「さっきの衝撃で足が折れたみたいで…」
「うん、てかアスラン、気分悪くない?」
「ああ、少しな。それがどうかしたか?」
「どうかしたじゃないよ!骨が折れるほどの衝撃だったんだよ!
 アスラン内臓大丈夫なの?」
「そうですわね、顔色もよくありませんし…」
「それくらい、大丈夫だ。俺だってコーディネーターなんだし」
「だめだよ!平気なわけないじゃん」
「でも、キラだって大丈夫なんだし…」
「いいえ、いけませんわアスラン。キラが大丈夫なのは当たり前です。
 殺したって死にませんから」
「ラクス、なんか言った?」
「いいえ、なにも?」
もう何なんだよこの二人は!!仲いいのか悪いのか、いや良くはないんだろうな…
でも、なんか似てるよな、性格っていうか雰囲気か?
つまり、同属嫌悪ってやつか?
「とにかく、このままではいけません。私が手当ていたしますわ」
「え?」
「はぁ?何言ってんの!!ラクスなんかに僕のアスランをわたすわけないでしょ」
「キラこそ何をおっしゃってるんですか!!アスランは私のものです!」
また始まったし…しかも俺がどっちのものか?
そんなの俺は俺自身のものだろ、普通
俺の意思は無視か?
「あの、今はそんなこと言い合ってる場合じゃ…
 オーブだっていつまた戦闘になるかわからないし」
「それもそうだね…」
「そうですわ。その為にも怪我は治さなければなりませんわ
 ね、アスラン」
「え、あぁ、まぁ、そうですね…」
キラの目が怖い…
なんで治療を受けるくらいでそんなに怒るんだ?
「わかったよ…でもラクス、アスランに変なことしないでよ」
「そんなこといたしませんわ、どこかの誰かさんじゃあるまいし」
うわ〜、すごい睨み合い…あまりの剣幕に整備士の人たち逃げたし
俺も逃げたい…
「そうと決まりましたら、私の部屋へ参りましょう」
そういってラクスは俺たちを部屋へ案内した
「ここが私の部屋です。さぁ、どうぞ」
「失礼します」
俺が入り、キラが続こうとした時
「キラはここで待っていてくださいな」
「どうして?」
「どうしてもです」
再び睨み合い合戦勃発…ほんと勘弁してくれよ
「わかった、早くしてね」
「ええ、わかってますわキラ。ではまた後で…」
そういってドアが閉められた
なんかさっきから嫌な予感がする
「では始めましょうか?」
「…はい」
ラクスが俺に近寄った…そして俺は見てはいけないものを見てしまった




「うわあああぁぁぁぁ」
 あらあら、そんなに怖がらなくてもよろしいのに
「はいアスラン、終わりましたわよ」
「……………」
「…アスラン?」
手を振ってみても反応がありませんわね
気絶してしまったのでしょうか?
「まぁ、アスランたら」
でも仕方ありませんわね
今まで見て普通でいられたのはキラぐらいですし
ある意味気絶して忘れてしまうのは賢いですわね
そのまますべてを見てしまった人は発狂してしまいましたし
ドンッドンッ
「こら〜ラクス、僕のアスランに何した〜!!!」
まったくうるさいですわね〜
「何もしてはおりませんわ。とにかく終わりましたから
 入ってきてもよろしいですわよ」
そう言った瞬間キラが急いで入ってきましたわ
そんなに私って信用ないのでしょうか
「わ〜気絶してるし!!!アスランしっかり〜」
「大丈夫ですわキラ、怪我も治りましたし」
「そうゆう問題じゃない!アスラ〜ン…」
まったくせっかく治したというのになんなんですの?
「うっ…」
「あっ、アスラン!気がついたんだね」
「キラ…俺は、どうし、ってうわああぁぁぁ」
私と目を合わせた途端叫ぶだなんて失礼ですわね
そんなに怖かったのでしょうか?
「アスラン、どうしたの?ねぇアスラン!」
「俺は何も見てない、俺は何も見てない、俺は…」
「アスランしっかりして〜」
まぁ、見てられませんわね
アスランなんて自己暗示をかけだしましたし
「とにかくお二人とも落ち着いてくださいな」
「うわああああぁぁぁぁぁ」
あら、また気を失ってしまいましたわ
アスランって思ったよりも繊細なんですのね〜
「アスラ〜ン」
「あらあら、こまりましたわね〜」
「全く誰のせいだと思ってんのラクス」
「あら、私のせいだとでも言いたいのですか?」
「あ、やっぱり自覚あるんだ」
黒い笑みを浮かべるキラ…はっきり言ってこのときのキラは
私よりもたちが悪いですわ
私の揚げ足を取るなんて、いい度胸してますわ
「まぁ、私は怪我を治しただけですから、なんとも」
「あっそ、ま、どうでもいいけどね」
そういってアスランを抱えあげるキラ
「まぁ、キラにもそんな力がありましたのね」
「なに知らないの?僕は脱いだらすごいんだよ
まぁ、ラクスには及ばないけどね。さすがに腹は割れてないし」
「キラ、何か言いまして?」
一応圧力を掛けてみるものの一度スイッチの入ったキラがこんなことに
屈するはずもなくて
「いや、別に聞こえなかったならいいんだよ、気にしないで」
そんな言葉とは裏腹に黒さが増した笑みを向けるキラ
ほんと、私は見ただけで気絶すると言うのにどうしてキラの
傍では普通なんでしょう、アスラン?
「そんなの簡単なことだよ、僕はアスランに黒いところはあまり見せないし、
 小さい頃から一緒だからね僕のには慣れてるんだよ
 ま、それだけ僕のことを思ってくれてるってことだよ
 ラクスなんて僕の足元にも及ばないね」
私の心を読んだ挙句この冒涜、いつか呪ってやりますわ
「無理だね、君に僕を呪うなんてことできないよ
 あ、もしやった時は呪い返しに気をつけてね」
本当にムカつきますわね
「あら、どうなさいましたのキラ?さっきから変なことばかりおっしゃって」
「え、そう?ごめんねラクス、気にしないで」
部屋を後にして格納庫へ向かう私たち
格納庫にはディアクティブモードのフリーダムとジャスティス
「ごめんねラクス、僕たちもう行かなくちゃ」
「そうですか、私もプラントへ戻りますわ」
「え、どうして?」
不思議そうな顔をしてキラが私の顔を覗き込んでくる
スイッチの切れているキラは好きなんですけれどね〜
「ほら、台本でアスランがプラントに戻ったときに
 私が助けなければなりませんでしょう?」
「だめだよラクス、台本の話は出しちゃ」
「あらそうでしたわね、ごめんなさい」
そして気を失っているアスランに目をやる
「アスランのこと、お願いしますわね」
「うんわかってるよ」
本当にわかってるんでしょうか?私が言いたいのは
「アスランに今日見たラクスのこと忘れさせれば良いんでしょう?」
「あら、わかってたんですのね」
「もちろん、僕にわからないことなんてないよ」
「そうですわね、キラは魔王ですものね」
「なに言ってるのか聞こえな〜い」
キラって本当に可愛くありませんわね
「可愛くなくて結構」
こういうところも
「じゃ、またねラクス」
「はい、キラはどうでも良いですけどアスランはお気をつけて」
「ひっど」
そういって別れ、フリーダムがジャスティスを抱えて飛び立っていく
「私も行けたらいいんですけどね」
ま、そうもいきませんわね
私がアスランを助けなくてはなりませんし
「また会いましょうね、キラ、アスラン」
そして2機のモビルスーツはまた地球を目指す
また戦場へ遊びに、ではありませんでしたわね
オーブを救うためでしたわね
さぁ、この危険で楽しい遊びはどうやって終わらせましょうか
また、二人に会える日が楽しみですわ





おまけ




オーブにて
「アスラン、大丈夫か?」
「ん、カガリ?」
「よかった、キラにお前が倒れたって聞いて…」
「え、ああそうだったな…でも俺なんで倒れたんだ?」
「何だ覚えてないのか?」
「ああ、というかカガリに吹っ飛ばされた後のことよく覚えてない」
「お前、本当に大丈夫なのか?」
「だぶん大丈夫だ」
「だぶんって、お前な〜」
あ〜良かった、ちゃんと忘れてくれてる
もし忘れてなかったら僕がラクスに殺されちゃうしね
ラクスって怒るとほんと怖いからな〜
できれば本当に二度と会いたくないかも
ま、無理だろうけどね…

* * * *

2006/02/22(Mon)

私にとって初めての小説となりましたが、ごめんなさいの一言ですね…
こんな駄文を載せていいのだろうかと、今でも不安です
あ、それかr所々略みたいな感じで書いててアスランをどうやって助けたかとか アスランは何を見たのかとかわからないところが多々ありますがそこは想像にお任せします(笑)
こんなアホな駄目な物しか書けませんがよろしくお願いします
〜暁〜